なにわの怪談師 聞いてみん怪の短編怪談

オリジナルの怪談や都市伝説、不思議な話を発信していきます。

短編怪談 #32 「リサイクルショップの刀」

僕の友人が体験した話。

その友人は以前、

リサイクルショップで働いてました。

リサイクルショップなので

いろんなお客さんが

来ます。そのひとりに毎週のように

壺や絵画、書など、昔の品を持ってくる

おばあちゃんがいました。

その方が持って来た品の中に

ひとつだけ不可解な物がありました。

それは刀のようなのですが、

途中で折れており刃がズタズタでした。

何故か異様な臭いが漂い、

見るたびに胸を誰かに

押さえつけられるような

そんな感じがしたそうです。

「これはなんですか?」と聞くと、

「ご先祖様の形見なの、もう役目を終えたから。」

と返ってきました。

役目って…?不思議でしたが、

流石に刀は受け取れないと思い、

一度断ったそうです。

しかしそのおばあちゃんは食い下がり、

どうしても

ここに置いていきたいと言いました。

 

あまりに懇願されるので仕方なく受け取ると、

そのおばあちゃんはすぐに帰っていきました。

友人はその後も刀が気になって

仕事に集中できませんでした。

その状況に耐えかねて、

その日は休みだった店長に連絡しました。

するとちょうど時間が空いていたようで

すぐに来てくれました。

「これが例の?」と興味津々に刀を見ると

“明和”の文字が刻んでありました。

それ以外は損傷が酷く読めなかったのですが、

この刀が300年近く前の物である可能性が

出てきました。となるとさっきから

ずっと漂うこの異臭、この損傷具合は

まさにその時代の戦いの痕跡なのかも

しれないのです。

店長は歴史が好きな人で

相当テンションが上がっていました。

その日はもう夜遅かったので

また明日、詳しく調べてみようということで

帰りました。

次の日、ちょっとわくわくしながら

出勤すると店長がかなり焦った様子でした。

 


「ない…」

 


なんと、その刀だけが

そっくりそのまま無くなっていたのです。

空き巣かと思いましたが入られた

形跡は一切なく、

荒らされた様子もありませんでした。

元からそこになかったかのように

消えてしまったのです。

 


結局、その謎の刀は見つかることなく友人は

リサイクルショップをやめたそうです。